いいえ。「病気」です。
うつの治療をしていると患者さんから、
周りの人はできているのに、私ができないのは「甘え」でしょうか?
という質問を受けることがあります。
それに対する答えは、「いいえ。」です。「うつとは、脳が病気な状態」なのです。
うつの症状が出る代表的な精神科の病気は、
- うつ病
- 躁うつ病(双極性障害)
です。いずれも、「遺伝的要因」「心理的・社会的要因」「本人の考え方・性格」などが複雑に絡み合って発病します。
そして、発病にあたって、うつ病では遺伝が果たす役割が30%ほど、双極性障害ではかなりの部分に遺伝が影響していると考えられています。詳しくは以下のページをご参照ください。
更に、うつ病患者さんの脳の画像研究では、脳の一部で著しい血流低下が確認されています。「甘え」で脳血流は下げられません。「うつとは、脳が病気な状態である。」と考えるべきであり、「甘え」などという曖昧な精神論で片づけるべきではないと考えます。
「甘え」だと自分自身を責めたり、自分に否定的になってしまうのも、うつの症状でしょう。
私は精神科医として、少しでも正しい精神医学の知識が世に広がって欲しい、そして「甘え」などという誤解が消えて欲しいと願っています。
このホームページでは、出来るだけわかりやすく心の病気について説明していますので、他の記事もぜひ読んでいただき、病気の理解を深めてもらえれば幸いです。
資格
・日本精神神経学会認定 精神科専門医
・厚生労働省認定 精神保健指定医
・日本医師会認定 認定産業医
・厚生労働省認定 麻酔科標榜医
・日本麻酔科学会認定 麻酔科認定医(2017年~2022年迄)
略歴
愛知県立明和高校卒業後、山梨大学医学部医学科へ進学。卒業後は豊田厚生病院での研修を経て名古屋大学精神科へ入局。その後、大学の関連病院で勤務の後、2022年に大曽根駅前こころのクリニック院長就任。
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