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精神科専門医が解説:大切な人から「死にたい。」と相談されたら?

死にたいと相談する友人うつ
A子さん
A子さん

もう死んでしまいたいの・・・

もし、自分の友人や恋人など大切な人から「死にたい」と相談されたとき、あなたならどのように対応しますか?
そんな経験は普通はないから困ってしまいますよね。

院長
院長

「死にたい」と相談される経験なんて、精神科医以外では少ないものです。


今回は、「死にたい」と相談されたときに大切な人を守る対応を説明していきましょう。

結論

  1. 肯定も否定もせず、まずは相手の気持ちに寄り添う。
  2. 専門家につなぐ。
院長
院長

それぞれについて、より詳しく解説していきます。

① 肯定も否定もせず、まずは相手の気持ちに寄り添いましょう。

大切な人から「死にたい。」なんて言われようもんなら、真っ先に

友人
友人

ダメだよ!! 死なないで!!

って言いたくなりますよね。
でも、どんな会話であってもいきなり否定されたら相手は「嫌だ」と感じるのが自然です。
せっかく秘めた思いを打ち明けてくれたのに、

A子さん
A子さん

私の気持ちの何がわかるの! もういい・・・


っとなって、心を閉ざして会話が終わってしまっては台無しです。まずは、相手の気持ちをあなたが受け止め、相手の気持ちに寄り添いましょう。

A子さん
A子さん

もう死んでしまいたいの・・・

「死なないで」と否定したくなるのをこらえて

友人
友人

死んでしまいたいと思うくらい、辛いんだね・・・

っという感じです。
相手の言った言葉「死んでしまいたい」を繰り返し、まずは相手の気持ちを受け止めます。
こうすることで、いきなり否定して、せっかく打ち明けてくれた相手との会話が終了してしまうのを避けましょう。更に、

友人
友人

辛いんだね・・・

のように、相手が言葉にしていない感情をくみ取って相手に返します。こうして相手の気持ちに寄り添おうという姿勢を示しましょう。そのうえで、

友人
友人

私でよければ、相談にのるけど・・・

っと話し、その後も同じように肯定も否定もせず、相手の話をひたすら受け止め、ときに相手が言葉にしていない感情をくみ取って相手に返す。
これを繰り返して、ひたすら聞きましょう。

院長
院長

悩みを否定されずに、ただただじっくり聞いて貰える。
これだけでも、1人で抱えていた悩みが軽くなるものです。

よくあるのは、

友人
友人

何かアドバイスしなきゃ・・・
解決案を提案してあげないと・・・

と考え込んでしまって会話が止まってしまうことです。

そもそも「死にたい」と思うほどの悩みなのですから、すぐに解決案を示すというのは難しいことが多いでしょう。でも、解決案を示すことが出来なくても、相手の気持ちに寄り添い、相手の悩みを一緒に支えようとすることは出来ます。

② 専門家へつなぐ。

精神科医

死にたいと訴える場合、すでに「うつ病」など心の病気を発病して、病気の症状のせいで辛い状態になっている可能性があります。そんな友人を1人にしないようにして、近くのメンタルクリニックへ受診させるのをお勧めします。

友人
友人

精神科なんて大げさだよ。

確かに、「大げさじゃないか?」って思えますよね。それに、精神科の受診って敷居が高いように感じるかもしれません。
でも、大げさでいいじゃないですか。
大切の人のために大げさに対応して、何もなければみんなハッピーです。
もし、何か心の病気がみつかれば連れてきて良かったと思えます。
大げさに対応せずに、もし友人を亡くしてしまったら、一生そのことを後悔するでしょう。

院長
院長

大切な人のために大げさに対応しよう・・・これは本当に、タイムマシーンがあれば高校2年生のときの私に伝えたいです。そのときの後悔の念が私を医者にしたのかもしれませんが、その話はまたいつか機会があれば・・・

補足:その後の専門家の対応

ここからは、専門家の対応になりますので、興味があれば読んでもらえればと思います。
僕ら精神科医は、患者さんの話を聞き、

  • うつの症状があるか。
  • 「命を絶ちたい」のか「命は絶ちたくないけど現状から逃げ出したい」のか。
  • 「死ね。」など、幻聴に行動が左右されていないか。
  • 「死なないといけない。」など、妄想はないか。

など、情報を集めていきます。
そして情報を集めるときに質問責めは避けます。

院長
院長

誰だって辛いときに質問ばかりされたら、嫌になって話したくなくなりますよね。

質問以外の方法も使って、患者さんが自ら話してしまうような方法も混ぜていきます。
言葉で説明するのが難しい技術なのですが、
例えば質問責めだと、

院長
院長

1+1は?

A子さん
A子さん

2です。

というのを、

院長
院長

1+1は3だと思っている。

A子さん
A子さん

え!? いやいや2ですよ

という感じです。
同じ「2」という答えを、質問という相手に圧迫感を与える方法ではなく、相手が思わず答えてしまうように導く感じです。

これは「動機づけ面接」と呼ばれる方法の一つで、相手の「訂正したい」などの気持ちを刺激して、質問責めにされている圧迫感を減らして情報を出してもらう方法です。

情報を集め終わったら、医療で治せるものをみつけ、そこへアプローチしていきます。 

院長
院長

今回は少し重いテーマでしたね

でも、「備えあれば憂いなし。」です。
いつか、今日読んで知った知識があなたの大切な人を守るのに役立ってくれれば、こんなに嬉しいことはありません。

このホームページでは、出来るだけわかりやすく心の病気を説明するよう心掛けていますので、他の記事も是非読んで頂ければ幸いです。

著者:臼井 敏晶医師

院長臼井敏晶医師
診察室での院長

資格・所属学会

精神科専門医 / 精神保健指定医(厚生労働省) / 日本医師会認定産業医 / 麻酔科標榜医 / 麻酔科認定医(2017年~2022年)・日本精神神経学会 / 日本ADHD学会

略歴

愛知県立明和高校卒業後、山梨大学医学部医学科へ進学。卒業後は豊田厚生病院での研修を経て名古屋大学精神科へ入局。その後、大学の関連病院で勤務の後、2022年に大曽根駅前こころのクリニック院長就任。
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