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腹痛、動悸、肩こり・・・うつ病の精神以外の体の症状を精神科専門医が解説します。

肩こり うつ
うつの患者さん
うつの患者さん

なんか最近、通勤中にドキドキと動悸がしたり、お腹が痛くなったり、好きだったアイスクリームを食べても、美味しく感じなくて変な感じ・・・

院長
院長

なるほど。実はうつ病のときって、気持ちの症状以外に体の症状も出るんですよ。体の症状が目立って、こころの症状に本人が気づいていないこともあります。

うつの患者さん
うつの患者さん

え!? 体の症状も出るの? 詳しく知りたいわ。

うつ病の時の体の症状

体の病気

うつ病では、セロトニンやドパミンと呼ばれる、脳だけでなく全身の神経と神経の間を行き来する神経伝達物質の異常を伴います。セロトニンとうつ病の関係については、以下のリンクをご参照ください。

このことから、心臓や胃腸など自律神経系の関係する内臓の症状や様々な体の症状が出ることがあります。

具体的な体の症状
  • 食欲が出ない。
  • 食べ物を美味しく感じない味覚の変化。
  • 腹痛や吐き気。
  • 記憶力低下
  • 便秘や下痢
  • 生理不順
  • 心臓がドキドキする。
  • のどの辺りが詰まった嫌な感じ。
  • 息苦しさ
  • 体が疲れやすい。
  • 体の疲れが取れにくい。
  • 疲れているのに、眠れない。
  • 眠りが浅い。何度も目が覚めたり、朝早くに目が覚める。
  • 頭痛や肩こり
  • 性欲低下

    ・・・など

腹痛

例えば、セロトニンは脳でも使われていますが、大部分は胃腸で使われます。ストレスによるセロトニンの変化は胃腸の症状となってあらわれることもあります。

院長
院長

「緊張して下痢する。」「ストレスで胃が痛い。」などは、日常でも経験がありますよね。

パニック障害

また、セロトニンの不足は突然の息苦しさや心臓のドキドキが出るパニック障害の要因でもあります。そのため、パニック障害に似た、息苦しさや動悸、のどの詰まり感を伴うこともあります。


うつ病と聞くと「気持ちの落ち込み」などの、こころの症状のみと思われがちですが、実は様々な体の症状を伴うこともあります。動悸や呼吸の苦しさなどで内科を受診し、検査をしても異常が見られないときには、うつ病の可能性もあるため、近隣の精神科医に相談するのも手です。

このホームページでは、出来るだけわかりやすく心の病気について説明していますので、他の記事もぜひ読んでいただき、病気の理解を深めてもらえれば幸いです。

参考
  • DSM-5 精神疾患の分類と診断の手引き:アメリカの、こころの病気の統計をとるための教科書です。
  • カプラン臨床精神医学テキスト第11版:精神科医のバイブルの教科書の一つです。非常に詳しく精神疾患について解説してあります。
  • みんなのメンタルヘルス:厚生労働省の心の病気の解説ページです。

このページの著者:臼井 敏晶 医師
内容への問い合わせ先:Web問い合わせ

院長臼井敏晶医師
診察室での院長

資格

・日本精神神経学会認定 精神科専門医
・厚生労働省認定 精神保健指定医
・日本医師会認定 認定産業医
・厚生労働省認定 麻酔科標榜医
・日本麻酔科学会認定 麻酔科認定医(2017年~2022年迄)

略歴

愛知県立明和高校卒業後、山梨大学医学部医学科へ進学。卒業後は豊田厚生病院での研修を経て名古屋大学精神科へ入局。その後、大学の関連病院で勤務の後、2022年に大曽根駅前こころのクリニック院長就任。
 詳しいプロフィールはこちら》

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