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税金が安い? 障害者雇用? 精神障害者保健福祉手帳について。

お金よくあるご質問

こころの病気の治療中だと、なかなか仕事が出来なかったり就活で苦労したり、その結果としてお金のことを心配する場面も多いかと思います。そのような方を支援する制度「精神障害者保健福祉手帳」について、そのメリット、取得の仕方などをわかりやすく解説していきます。

精神障害者保健福祉手帳とは

精神障害者福祉手帳

精神障害者保健福祉手帳とは、こころの病気で治療中の方の自立と就職などの社会参加を支援するための国の制度です。

メリット

障害者雇用制度を活用できる!

障害者雇用

障害者手帳を取得すると、就職するときに障害者雇用に応募できるようになります。この場合、普通の就職と異なり会社の方もはじめからいろいろと配慮してくれるため、安定して仕事を続けやすいです。また、障害者雇用を行わない企業には以下のようなペナルティーがあることにより、企業は積極的な雇用を行っています。

障害者雇用制度とは

一定の規模の企業は障害者を雇用するよう障害者雇用促進法で決められています。具体的には、

  • 民間企業は全体の2.3%以上
  • 教育委員会は全体の2.5%以上
  • 地方公共団体など公共の職場は全体の2.6%以上

は障害者を雇用するよう法律で決めています。更に、これを満たしていない場合は不足分1人につき月に4~5万円を企業は国に払わないといけないというペナルティーがあります。

院長
院長

一般の就職とちがって、「はじめから配慮されている」「雇用されやすい」というのは、社会復帰につながる大きなメリットですね

税金が少なくなる!

税金の軽減

こころの病気を治療中の方は思うように仕事ができずに、お金に関して困ってしまう方もいると思います。そのような点への配慮として、全国一律に障害者手帳の取得者には以下のようなメリットがあります。

公共料金等の割引

  • NHK受信料の減免

税金の控除・減免

  • 所得税、住民税の控除
  • 相続税の控除
  • 自動車税・自動車取得税の軽減(手帳1級の方)

などなど・・・

この他にも自治体によって

  • 地下鉄やバスの運賃の割引(愛知県では50%割引も)
  • 水道料金の割引
  • 公営のジム、動物園、美術館などへの入場料の割引

などを行っています。

取得の条件

取得条件

以下の条件を満たしたときに、取得できます。

取得の条件
  1. 初めてこころの病気の診断を病院で受けてから6か月以上経過。
  2. 現在も治療を継続し、日常生活に困っている。
  3. 医師の作成した診断書をもとに、精神保健福祉センターが障害者と認定する。

1について、治療を開始してどの程度よくなるのか、人によっては完治することもあるため6か月経過するまでは認定審査を受けられないというルールになっています。

3について、申請すれば全員認定されるというわけではなく、自治体の精神保健福祉センターという部署が審査を行い、場合によっては通らないこともあります。また、更新する際に病状が以前より改善していれば等級も下がることがあります。

申請の仕方

保健所

必要な書類を入手する。


役所の福祉課や保健所などが窓口となります。まずは申請に必要な書類を、

  • 市役所や区役所、保健所などに直接行って入手する。
  • 自治体のホームページからダウンロードする。

名古屋市の場合は、名古屋市のホームページからダウンロードも出来ます。

診断書を主治医に書いてもらう。

つぎに診断書を主治医に書いてもらいましょう。
治療を開始して6か月以上経過しているかに注意してください。

必要な書類を役所の窓口で提出する。

提出先は市役所や区役所の福祉課や保健所が窓口となることが多いです。
持っていくものは、

持って行く物
  • 診断書(医師が記入)
  • 申請書(本人が記入)
  • マイナンバーカード
  • 本人の写真(縦4cm横3cm)

※必要な書類は自治体や患者さんによって違いがあるため、事前に役所で確認しましょう。

その他注意点。

有効期間切れに注意

障害者手帳の有効期間は2年間です。有効期限の3か月前から更新手続きが出来ますので、余裕をもって行いましょう。もし有効期限切れを起こしてしまった場合、再度認定を受けるまでの間はさまざまな支援を受けられなくなります。

「障害者」という言葉の負担。

認定されると「障害者」になります。社会生活する上で税金の面などメリットもありますが、「障害者」という言葉に、家族や本人が負担を感じることもあるかと存じます。

説明する女医の写真

さて、いかがでしたでしょうか?
今回は精神障害者福祉手帳の説明でした。

このホームページでは、出来るだけわかりやすく心の病気について説明していますので、他の記事もぜひ読んでいただき、病気の理解を深めてもらえれば幸いです。

参考

著者:臼井 敏晶医師

院長臼井敏晶医師
診察室での院長

資格・所属学会

精神科専門医 / 精神保健指定医(厚生労働省) / 日本医師会認定産業医 / 麻酔科標榜医 / 麻酔科認定医(2017年~2022年)・日本精神神経学会 / 日本ADHD学会

略歴

愛知県立明和高校卒業後、山梨大学医学部医学科へ進学。卒業後は豊田厚生病院での研修を経て名古屋大学精神科へ入局。その後、大学の関連病院で勤務の後、2022年に大曽根駅前こころのクリニック院長就任。
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